主婦の扶養控除・住民税・所得税 103万円の壁/130万円の壁って?

主婦の扶養控除・住民税・所得税 103万円の壁/130万円の壁って?

2014/6/26お仕事スタートガイド

再就職の際によく聞くのが、「103万円の壁」「130万円の壁」という言葉。「扶養を外れる」「夫の税金が増える」などと聞くことはあるけれど、どういう意味かはよくわからないという人も多いのです。働いて稼ぐ大事なお金のこと、しっかり理解しておきたいもの。注意点や今後の動向も含めてファイナンシャルプランナーの吹田朝子さんに教えてもらいました。

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扶養の範囲内ってどういうこと?

やりたい仕事が決まったら考えておきたいのが、お金のこと。主婦が働きに出るときに考えるポイントとして、「扶養の範囲内で働くかどうか」ということがあります。一言で「扶養の範囲内」といっても、「税金」「社会保険」の2つの部分で違ってきます。その判断基準となるのが「103万円の壁」「130万円の壁」。

そのポイントは「自分が税金を払わなくていいか」「自分で社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料など)を払わなくていいか」。賢く働くためにも、まずその仕組みを知っておきましょう。

年収によって、税金や社会保険料、受けられる控除が変わる

103万円の壁…その1 税制上の扶養の範囲内。自分で税金を払うかの境目

「まず一つ目のポイントは、『自分自身で税金(所得税)を払うかどうか』。これが『103万円の壁』といわれるものです」とファイナンシャルプランナーの吹田朝子さん。

所得に対して課税される主な税金には「所得税」「住民税」があります。このとき「収入」=「所得」ではありません。会社員やパートの場合、給料の額に応じて、一定額を必要経費として引くことが認められています。これが「給与所得控除」といわれるものです。またこれ以外に「基礎控除」があり、これらを合わせた額までは税金がかからない仕組みになっています。

これを踏まえて、所得税・住民税、それぞれの支払いの目安になる年収は下記の通りです。

所得税

給与所得控除65万円+基礎控除38万円=103万円

住民税

給与所得控除65万円+非課税限度額35万円=100万円

「上記のように、住民税の場合は100万円を超えると税負担が発生します。しかし、非課税限度額を少し超えたからといっても大きな税額ではないので、あまり気にすることはないでしょう。住民税は自治体によって異なりますので、住んでいる地域のホームページなどで確認を」

103万円の壁…その2 配偶者控除 夫の手取り収入に影響も

「103万円の壁」といわれるのには、もうひとつポイントがあります。それが、会社員の夫の手取りに関係する問題です。

妻の収入が103万円以下なら、夫は「配偶者控除」として38万円を所得から引くことができます。つまり、その分所得税が安くなるのです。

※103万円を超えても141万円までは、控除額が段階的に下がっていく「配偶者特別控除」を利用することができます(夫の所得が1000万円までの場合のみ)

また、もうひとつ注意しなければいけないのは、夫の会社に「配偶者手当」がある場合。「支給要件として『妻の年収が103万以下』としているところが多いようです」(吹田さん)

夫の手取り収入が減少してしまう可能性があるので、配偶者手当が出ている場合は、必ず条件を確認してください。

130万円の壁… 社会保険の扶養の範囲内。社会保険料を払うか

「103万円の壁」の影に隠れがちで、注目されにくい「130万円の壁」。吹田さんは「実はこちらが『多く働いたのに収入が増えない』という事態が発生するかもしれないポイント。103万円の壁よりも、注意をしておく必要がある」と言います。

サラリーマンなどの妻であった場合、ある基準の収入以下であれば、「国民年金の第3号被保険者」となり、年金保険料を納める必要はありません。 ただ、ある基準の収入を超えると、第3号被保険者として認められずに、第1号被保険者(自営)、第2号被保険者(会社員・公務員)となって、自分自身で年金の保険料を払う必要が。この基準が130万円になります。

※年収が130万円未満であっても勤務時間(正社員の4分の3以上)などによっては社会保険料を負担するケースもあるので勤務先に確認を

年収130万円~150万円は働き損になる?!

「税金や社会保険を負担しても再び手取り収入が増えていく目安は、年収150万円以上。手取りの確保ということを考えた場合、130万円未満の年収に抑えるか、150万円以上を目指すかという選択に。ただ、社会保険料も妻が厚生年金に加入すれば、老後の年金額は増えることになるので、一概に130万円~150万円が損だということではありません。自分に合った働き方を見つけてください」(吹田さん)

年収が132万円になると(年収128万4000円の場合と比較)

10月から130万円の壁が変わる!

最近ニュースなどでも報道されていますが、2016年10月から短時間労働者(パートタイマー)の厚生年金適用の基準が拡大される予定。これにより先ほど紹介した「130万円の壁」が「106万円の壁」に下がる可能性があります。

パートなど短時間労働者の加入条件は現在、週の労働時間が正社員の4分の3以上(所定労働時間が40時間の場合は30時間)。これが週20時間以上で月の賃金が8万8000円以上などに広がります。

ただしこれは勤務先の従業員が501人以上で勤務期間が1年以上の場合です。

今まで130万円未満の年収を意識して働いていた人は、今までと同じような勤務状態であれば、手取り金額が減少します。働き方を見直す機会になるかもしれません。

「働きたくても、夫が『扶養の範囲で働いてほしい』と希望することもあります。これから働く人は、まずは扶養の範囲内からスタートして、自分にあった働き方を見つけながら、段階を追ってステップアップしていけるといいですね」(吹田さん)

著者プロフィール

吹田朝子さん

一般社団法人円流塾 代表理事。ファイナンシャル・プランナー(CFP)。

一般家庭のライフプランおよび住宅ローン・保障・貯蓄運用などについて、1人1人の価値観を尊重しながら豊かさへナビゲートするのがモットー。セミナーや個別相談も行っている。最近は、女性の自立や自活力を高める講座、損得勘定を超えて人生を楽しむマネー術などのメール講座を開催中。円流塾 http://yenstream.or.jp/

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